レバレッジメモ: 論理的な文章を書く基本とコツ 〜明快な文章を短時間で書くための6ステップ〜

学習研究社刊、西村克己著『論理的な文章を書く基本とコツ』を読みました。


僕は何冊か本を執筆していますし、文章を書くことに苦手意識は持ってはいません。
しかし、文章を書くのにものすごい時間がかかってしまうことに問題意識を持っています。
この本で初心に帰り、文章の基礎を見直そうと思います。
他にも数冊文章術の本を図書館から借りています。


時間がかかるのはやり方に問題があるので、正しいやりかたに変えようというのが最近のモットーです。
読書はレバレッジ・リーディング です。
そして、情報の扱い方 と文章の書き方とプログラミングの作法を見直します。


本書は文章を書くための基本がステップバイステップで書かれている本です。
文章を書くための手順が欲しければ、本書はわかりやすいし、おすすめです。
文章を書くことがこれまでにないほど重要視されている中、小中学校では、文章の書き方をきちんと教えることが重要だと思います。


レバレッジメモ



はじめに


よい文章、悪い文章



「わかりやすい文章」が人を動かす

  • 知らない言葉が出てきたり、論理が矛盾するのがわかりにくい文章。わかりにくい文章は人の行動を喚起してくれない

  • 人は自分の記憶のデータベースを使って理解・判断する

    1. 読む

    2. 記憶を検索

    3. 記憶を照合

    4. 理解・判断!
  • 言葉がわからないときだけでなく、話が論理的に矛盾するときにも、人間の思考はストップします
    • わかりやすい文章:AならばB→BならばC→CならばD

    • わかりにくい文章:複雑・どうつながっているの?

  • 人にわかってもらうには、筋道を立てて文章を書くことが必要

  • わかりやすい文章

    • 読み手の記憶にある単語

    • 経験がある話

    • 読み手の常識に合致

    • 筋道が通っている話

    • 短めの文章

    • 適度な情報(無理なく考えられる)
  • わかりにくい文章

    • 読み手の記憶にない単語

    • 経験がない話

    • 読み手の常識から外れた話

    • 矛盾する話

    • 長いの文章

    • 情報過多(考える領域が広すぎ)


「論理的」とは筋道がつながっていること

  • 筋道が明確で矛盾がない文章を書けば、不特定多数の仕事相手をスムーズに説得できる

  • 話がジャンプすると話がつながらない

    1. 大阪支店に転勤してくれないか

    2. 大阪の支店長が君を高く買ってるんだ(これがないとつながらない)

    3. 君はどう思う?→OK
  • 死角があると相手を説得できない
    • 儲け話には都合の悪い話や損失・リスク

  • 都合がいい話だけを並び立てると「屁理屈」になる

  • 死角の所から論理矛盾が発覚しやすい

  • 文章は、不特定多数の人が読む可能性があるので、論理的であることは必須

  • 文章を書くときには、筋道のジャンプと死角に注意

  • 論理的な文章:こうです→なぜならば→理屈がつながります
    • 話がうまくつながる

    • 読み手が納得できる

  • 非論理的な文章:こうです(直感で、理由はありません、わたしの経験から)
    • 話がつながらない

    • 理由がわからない


読み手の興味がわく書き出しでないとダメ

  • いい書き出しの文章は、最後まで読んでもらえる。読み手に関心のある話題を早目に持ってくるのがポイント

  • 仮に権限を持っている人の文章であっても、「なぜそれが必要なのか?」を説明してくれないと、読み手は納得しない

  • 読む気にならない悪いパターン(アンチパターン)

    • 長い前書き

      • 前書きが長いと読む気がしない

      • 本文をきちんと書いてほしい

    • 納得できない

      • 例:こうしてください 業務連絡 すでに決定事項です

      • 理由の説明不足

      • 理由が納得できない

    • 趣旨が伝わらない

      • 例:長々と、まわりくどく、こうとも言い切れないが、ああとも‥

      • 何が言いたいのか意味不明

      • 文面の解釈が難しい

    • 書き手の御都合主義

      • 例:本社の都合により次のように決定されました

      • 書き手の都合で一方的

      • 読み手に対する配慮がない

    • 重要でないことを大袈裟に扱う

      • 何にでも「重要」をつける

      • 書き手にとって重要なだけ

    • 不愉快

      • 例:以下のことを指示する

      • 丁寧語不足で不愉快

      • 命令口調で不愉快
  • 結論の順番を入れ替えると興味がわく
    • 「結論。なぜなら〜」結論を先に書くと結論が用意に理解でき、「なぜ?」と興味がわく

    • 「〜。だから結論」結論を最後に書くと言いたいことがすぐにわからないし、短気な人には前置きが長すぎる

  • 読み手のことを先に書くと興味がわく(特にE-mail)
    • 「たいへんお世話になっています。御元気ですか?〜ご自愛ください。さて、今回の件は下記の通りです」→健康に気づかってくれてうれしい

    • 「たいへんお世話になっています。さて、今回の件は下記の通りです。末筆になりましたが、御元気ですか?〜ご自愛ください。」→健康の話題はついでかよ!?


見出しだけで内容が読み取れなければダメ

  • 「見出し」は読み手に内容を理解させやすくするだけでなく、文章にメリハリをつけて書きやすくする役割もある

  • まずはじめに見出しを先に作成する

  • 見出しを書くときは、番号を振っておくと、構成にメリハリがつく=わかりやすい

  • よい見出しと悪い見出し=目次は文章の看板
    よい見出し 悪い見出し
    仕事が混乱しないよう、モレやダブリをなくせ モレやダブリをどうするか
    論理関係がわかりやすく表現できるロジックツリー ロジックツリーが重要
    「どこまでが事実で、どこまでが判断か」をわかりやすく 事実と判断
    内容が推測しやすい。紹介される手法の効用がわかる 見出しでは内容が推測不能
  • 見出しが7項目を超えたら階層にわける

  • 分厚い本は、目次の階層を意識しながら読む


事例を入れればわかりやすさがアップ!

  • 読み手にとって身近で具体的な事例を入れることで理解度が増すだけでなく、文章量も増やすことができる

  • 読み手が身近に感じる場面を想定して、例を示す方法がある。

  • 事実や数値を入れると説得力が増す

  • 文章を書くコツは、「分析」にあるといっても過言ではない

  • 「たとえば」という事例はふくらし粉
    • 事例で文字量増・カットすれば文字量減

  • 文字量を増やすコツ
    情報を加える 情報を分析する
    事例を増やす 要素分解する
    「たとえば」を加える 売上や費用を部門別に分析する
    事実や具体的な話を加える ユニットに分割して解説する
    話題を入れる 場面設定を変える
    最近のニュースを話題に入れる 利用場面ん分けて解説する
    世の中の動向を話題に入れる 時間帯別に分けて解説する
    データを付加する 視点を変える
    統計データを加える 会社、顧客、競合など視点を変える
    データを分析して考察を加える マクロとミクロの視点を入れる


結論を先に書くか、後で書くかは場合別に

  • 結論を出すタイミングによって説得効果が異なるので、状況に応じて判断しよう
    • 先に結論を出す
      • いい場合
        • 読み手がテーマを設定し、答えを待っている場合

        • 読み手はすでに結論を承知しており、確認してもらえばいい場合

        • 本論の全体像を速やかに理解してもらいたい場合

      • メリット
        • 短時間に読み手に伝えられる

        • 気が短い読み手に受け入れられる

        • 読んでいる途中に結論の善し悪しを判断する時間が確保できる

        • 結論に関係ない部分の説明を省略・簡素化できる

      • デメリット
        • いきなり結論を押し付けられると読み手は違和感を感じやすい

        • 結論が気に入らないと、それ以降は読んでもらえない

        • 読み手に心の準備ができていないと、結論を受け入れにくい

    • 後に結論を出す
      • いい場合
        • 書き手が自らテーマを設定した場合

        • 結論に対する読み手の反発が予想される場合

        • 読み手も自ら一緒に考えながら結論を理解してもらいたい場合

      • メリット
        • 読み手は先入観を捨ててじっくり考えられる

        • 読み手に時間が十分あるときにはじっくり読んでもらえる

        • ビジネス以外では、後に結論を出す方が多い

      • デメリット
        • せっかちな読み手だと、読むのをやめてしまう

        • 読み手がイライラしやすい

        • 結論が正しく伝わらないことがある

        • 読み手によって結論の受け止め方が異なることがある


用語は「統一」「簡単」がキホン!

  • 用語を統一し、専門用語には解説を入れながら書くと校正の時間が大幅にカットできる

  • 最初から用語を統一して書く
    • 企業or会社or事業体 来期or来年度 モレやダブリがあるorもれやだぶりがある パソコンorPC リスクマネジメントorリスク対策 認定or認証

  • 類似の用語を使うときは、用語の使い分けの説明を入れておく
    • 改善 / 改革

  • 難しい用語には解説を入れる
    • 専門用語や略語など、初めて出たときには「〜とは」と解説する

    • 「それは」「これについて」などの指示語は極力使わない

    • 読み手の特質を意識すると、用語解説の必要性を判断できる


論理的な文章の条件



5W2Hと主語・述語の関係をチェック!

  • 文章の基本である5W2Hをしっかりと盛り込み、主語・述語の関係を意識すれば明快に書ける

  • 業務連絡では5W2Hが不可欠
    • 目的 何を?

    • 背景、理由 なぜ?

    • 月日、時間 いつ?

    • 場所 どこで?

    • 関係者 誰が?

    • 方法 どうやって?

    • 価格、費用 いくら?

  • 5W2Hがわかりきっているときは省略できる
    • 繰り返し出てくる単語や主語の多くは省略できる

  • 文章を書くのが苦手な人の多くは、主語と述語の関係にとまどっている

  • 述語のパターンを多く知っておくと、文末で手が止まるのを防いでくれる

  • 述語の例
    • 提案
      • 提案します。

      • 〜してみましょう。

      • いかがでしょうか。

      • 決めましょう。

      • 〜がおすすめです。

      • 〜しましょう。

      • 明らかにしましょう。

      • 行いましょう。

    • 説明
      • 〜することができます。

      • 便利です。

      • できません。

      • 容易です。

      • 容易ではありません。

      • 困難です。

      • 活用できます。

      • 導くことが可能です。

      • 〜があります。

      • 楽になります。

      • 重要です。

      • 可能です。

      • 〜がいいようです。

      • 多いのです。

      • 少ないようです。

      • 行いましょう。

    • その他
      • 効果的です。

      • 効率的です。

      • 不可欠です。

      • 重要です。

      • 明確化します。

      • 行います。


1センテンス・1メッセージを意識しよう

  • 1つの文章に1つのメッセージを入れるのが基本。ストレートな文章を入れ替えてつなげばスムーズな文章になる

  • 無理して長々と書こうとするか文章を書くのが苦手になってしまう

  • 1文に書きたいことは1つだけ
    • 欲張らないで、1つの文章に伝えたいことを1つに絞る

    • 複数ある場合は、文章を分けて書く

  • すべての文章は、40字前後の文章の集合体に過ぎない

  • 前後の文章関係が明確な場合、接続詞を省略できる

  • 接続詞の使用を最低限に抑えることで、スムーズな文章になる

  • 同じ接続詞を連続して使うのは避けたほうがいい

  • 箇条書きで書きたいことを挙げると頭が整理できる

  • 接続詞のいろいろ
    分類 接続詞
    同列 また さらに その上 同じように
    連続表現 1つめ 2つめ 最後に
    反対 しかし 反対に ところが でも しかしながら
    理由 なぜ なぜなら というのは それゆえ
    原因と結果 その結果 つまり 結果的に したがって
    話題転換 一方 ところで
    補完 ちなみに そこで もちろん なお
    続き そして さらに
    イントロ まずは 手始めに とりあえず
    事例・たとえ たとえば もし もしも
    本質論 そもそも 本来は 一般的に
    時間 以前 かつて 時には この先 今後


よくある結論レスと説得理由レス

  • 「主張」「論拠」「データ」の3つをきちんと関連づければ説得力のある文章になる

  • Why? とSo wat?を明確にすると論理的になる
                 「主張」
    /\ ^
    Why? / \ |
    | / \ So what?
    v / \
    「データ」---------「論拠」


    • 主張(結論):話の結論、提案や意見、推論のこと

    • データ(説得材料):主張を裏付ける客観的な統計など(数値・事実・具体例‥)

    • 論拠(説得理由):原理原則、法則性、一般的な傾向、常識などの理由付け

  • 三角ロジックで主張と論拠を結びつける
    • 主張。なぜなら、データ。論拠。

    • データ。論拠。だから、結論。

  • 結論レスになると状況説明だけで終わる

  • 説得理由レスになると、主張が説得不足で終わる


結論に関係ない話はズバッと削除する

  • 主張に関係ある論拠やデータを絞って提示すると、ストーリーが明快になる

  • 主張は1つ、そして主張を支えるための論拠やデータを数個以内でまとめればいい

  • 主張を説得するために必要な情報だけを書く
    • 言いたいことを羅列しても読み手を説得できない

    • 主張を説得するために必要な情報を絞り込む

  • データと論拠で主張の説得力を高める

  • 論拠を3つに厳選する場合、「3つだけで主張が十分支えきれるか?」「だからどうしたが説得できるか?」を問い掛ける


説得理由にモレがないか総点検せよ

  • 論拠のモレやダブリを防ぐことで説得力はグンとアップする。スキのない文章に仕上げよう。

  • ミッシー(MECE:Mutually Exclusive Collectively Exhaustive)とはモレやダブリがない状態

  • 「ほぼミッシー」にするとは、説得に必要な最低限の項目を満たすという意味

  • 説得理由のバランスが大切
    • 主張:「医薬品登録販売者」の資格を取ろう

    • 論拠1:ビジネスチャンス(メリット1)

    • 論拠2:就職に有利(メリット2)

    • 論拠3:今がチャンス(難しい?→今は取りやすいのでは?)

  • 説得理由にモレがあると読み手は賛同してくれない(アンチパターン)
    • 主張:「医薬品登録販売者」の資格を取ろう

    • 論拠1:資格取得は多い方がよい(役に立つの?)

    • 論拠2:新しい資格だから(役に立つの?)

    • 論拠3:人にすすめられたから(自分の意見は?)

  • 180度正反対を考えることで、論拠のスキ間を見つけ出すことができる

  • 「悪い面もあるけど解決できる」と言い切れれば、説得理由として強力になる

  • 「プラスマイナス」「表・裏」を考える


なぜ書くか、誰に書くのか

  • 文章を書くにあたり、文章を書く目的や期待する反応といった要素をあらかじめ確認することが大切

  • コミュニケーションの4つの構成要素
    構成要素 説明
    背景 テーマ設定が必要な理由、大義名分
    テーマと問い(目的) 何を明らかにしたいのか。問いかける内容を明確にする
    書き手 テーマと問いに対して答えを書く人
    読み手 読む人。ビジネスでは隠れた読み手がいることが多い
  • コミュニケーションの2つの成果を明確にしよう
    答え テーマと問いに対する答え。主張や結論
    期待する反応 書き手が読み手にどうしてほしいのかを明確にすること


論理的文章には「起承転結」がある

  • 「起承転結」を使うことで、説得ストーリーをより論理的に構築・展開することができる

  • 論理的な文章の起承転結
    • 起:問題提起
      • テーマに必要なきっかけを提示する

      • 本文の必要性を読み手に提示する

    • 承:テーマ設定
      • 問題提起を承(う)けて、法文のテーマを宣言する

      • テーマの結論を先に述べることもある

    • 転:説得ストーリー展開
      • テーマを具体的に展開して結論につなぐ

      • 結論に導く説得ストーリーを展開する

    • 結:答え(主張・結論)
      • テーマの結論を明確化する

      • 結論が正しいことを読み手に確認する

  • 三角ロジックと論理的な文章の起承転結:転=論拠x3

  • 説得ストーリー展開法1 並列型:論拠x3
    • 「物事をシンプルな構造で説明したい場合」に利用

    • 並列に並べた論拠に大きなスキ(ヌケやモレ)がないこと

    • 論拠をシンプルに示したいとき

    • 議論の余地がない内容を簡潔ん伝えたい場合(決定事項や連絡)

    • 説得内容にスキがないことを強調して相手を説得したいとき

  • 説得ストーリー展開法2 解説型:事実→判断基準→判断内容
    • 事実:答えを導く「判断材料」となる事実・データ

    • 判断基準:読み手も納得する客観的な判断基準、常識や原理原則

    • 判断内容:「論拠×判断基準」を考慮して判断したい内容

    • 「きちんと説得しないと納得しない場合」に利用

    • なぜその答えに至ったかを手順を踏んで説得する必要がある場合

    • 答えと論拠の関係のつながりが、読み手に伝わりにくいとき

    • 書き手の考察や判断を示さないと答えを説得できないとき


短い文章の書き方



シンプルな「並列型」の論理展開

  • 物事をシンプルな構造で単刀直入に伝える「並列型」の文章。モレやダブリのない3つの論拠を武器に相手を説得していく

  • 説得ストーリーを並列型の三角ロジックで図解すると、頭の中がすっきり整理される

  • 「並列型」で文章を書くための6つのステップ
    • 2、説得ストーリーの作成(省略可)
      • 起承転結を意識して説得ストーリーを明確化する

      • 説得ストーリーを「並列型」の三角ロジックで図解する

    • 3、目次作成とキーワードの書き込み
      • 目次(見出し)を作成する

      • 目次にキーワードを追加してエッセンスを文書化する

    • 4、箇条書き(エッセンス記入) (省略可)
      • キーワードだけでは不安な人はエッセンスを箇条書きする

      • 話がつながるように箇条書きの順番を入れ替える

    • 5、文章作成と校正
      • キーワードや箇条書きをつないで文章にする

      • 余分な見出しは削除し、読み直して文章を校正する

    • 6、仕上げをする
      • 三者に読んでもらって文章をレベルアップする

      • 完成した文章を提出する

  • 慣れたら「1&3」→「5&6」のみで書ける


ステップ1:オリエンテーションシートの作成

  • 文章を書く際にオリエンテーション(条件確認)シートを活用すれば、方向性や骨格が明らかになってくる

  • 最初に「背景」「テーマと問い」「書き手」「読み手」「答え(主張・結論)(書き手→読み手)」「期待する反応(読み手→書き手)」を明確化する

  • 図解がある場合は、文章よりも図解を先に書くと、何を書けばいいのかが明確になる

  • オリエンテーションシートのフォーマット
    • テーマ名

    • 提出先

    • 納期

    • 書き手

    • 読み手

    • 文調

    • 文字数・図解枚数






      • 説得理由1

      • 説得理由2

      • 説得理由3



    • 期待する反応


ステップ2:説得ストーリーを作成する

  • 説得理由を3つ並べてモレがない状態にすれば、主張に疑いの余地がないことをアピールできる

  • ほぼミッシーにする

  • 600字程度だと並列型で十分
    • 結論。その理由として、1つめは〜です。2つめは〜です。3つめは〜です。以上の3つの理由により、〜をお願いします

  • ほぼミッシーにするには切口(視点)で分類する

  • もしも決定的なデメリットがあるとすれば、デメリットも説明しておく


ステップ3:目次を作成しキーワードを書き込む

  • 目次を先に作り、それぞれにキーワードを追加していくと、表現したいイメージが引き出せる

  • いくら長い文章でも、本当に伝えたい結論はたった1つ

  • 起承転結で目次に展開する

    1. 問題提起

    2. テーマ設定

    3. 論拠1

    4. 論拠2

    5. 論拠3

    6. 結論

  • 書くために本当に重要な答えは「目次を先にきちんと作れ」

  • 目次ができたら、目次の見出し1つ1つにキーワードを追加する

  • キーワードは右脳からイメージを引き出す言葉のカギ


ステップ4:箇条書きでエッセンスを記入する

  • 箇条書きで「書きたいこと」を列挙し、順番を入れ替えるのが、ラクに完成させるためのポイント

  • 最初から文章をつなげてしまうと、読み直しに膨大な時間を消費してしまう


ステップ5:文章をつないで校正しよう

  • 箇条書きを接続詞でつないだら、もう一度読み直して校正や文字数の調整を行う

  • 1つの段落に1つのメッセージを絞り込めば、読み手の頭は整理され、とてもわかりやすい文章になる

  • 余分な目次は削除してから文字数の調整と校正をしよう
    • 目次なしが不安な人は、キーワードを見出し代わりにする

    • 文章をカットするとき、筋道に飛躍が発生していないかを確認する

    • 仕上げに、「てにをは」を総点検する

  • 校正とは「追加・修正・削除」をすること


ステップ6:第三者に読んでもらって仕上げをする

  • 三者にチェックしてもらうと、文章のレベルアップができる。最後の段階でやり直しにならないように、企画段階で相談しておく

  • 校正のチェック項目
    切り口 チェック項目
    文字校正 「てにをは」「の」が連続しすぎていないか
    口調 「ですます調」「である調」の統一
    接続詞 文章間の接続の整合性、「しかし」を多用しない
    用語の統一 用語の一貫性、用語の定義、用語の説明
    わかりやすさ 読みやすい、理解しやすい、親しみやすい
    説得ストーリー 論理的な整合性の確保、説得ストーリーを明確化
    説得力 読み手が納得できるか、読み手が賛同できるか
    精度 事実であるか、データが間違っていないか
    具体性 適度に事例が入っているか、イメージがわくか
  • 1字でも誤字があると、読み手は誤字が気になって理解が滞る。

  • 文章は義務感だけではなかなか書けない

  • 「読み手にこのことを伝えたい」「読み手を説得したい」と心の底から思うことで、プレッシャーを軽減できる


長めの文章の書き方



相手を説得させる「解説型」の論理展開

  • 「解説型」の文章展開は、論拠をストーリー形式にして、長い文章で相手をきちんと説明したいときに用いる

  • 起承転結の「転」の部分を「判断材料」→「判断基準」→「判断内容」の順番にストーリーを展開する

  • どんなに厚い本でも、40字前後の文章が寄せ集められて構成されている。1つの見出しあたり500字程度が基本単位になっている。


ステップ1:基本的な条件を確認しておこう

  • 文章を書き出す前にオリエンテーションシートを作成して、読み手を説得するための条件とシナリオを明確にする

  • オリエンテーションシートのフォーマット
    • テーマ名

    • 提出先

    • 納期

    • 書き手

    • 読み手

    • 文調

    • 文字数・図解枚数






      • 判断材料

      • 判断基準

      • 判断内容



    • 期待する反応


ステップ2:スムーズな説得につながる準備のポイント

  • 解説型の説得ストーリーでは、読み方が納得できる判断材料と判断基準を準備することが大切
    1、判断材料 答えを導く「判断材料」となる事実・データ
    2、判断基準 読み手も納得する客観的な判断基準や原理原則(常識)
    3、判断内容 1、2から判断する「判断材料×判断基準=判断内容」
  • 読み手が納得する判断材料を集める

  • 「判断結果」と「答え(主張・結論)」を一致させる


ステップ3:目次を作成してイメージを膨らませる

  • 目次を作成し、見出しの1つひとつにキーワードを書き込むことで、書きたいことを文字にしていく

  • 転の説得ストーリーのコツ
    • 判断材料:テーマを考える上で必要な材料を提示する
      • 情報収集、公開情報

      • 事実や調査結果

      • 数値や統計データ

      • 解決策の候補(代替案)を提示してもよい

    • 判断基準:判断材料の判断基準を読み手から合意を得る
      • 望ましい状態は何か

      • どのように判断するか

      • 判断基準の切り口は?

      • 読み手が合意する判断基準が不可欠

    • 判断内容:判断材料×判断基準を総合評価して答えを導く
      • 判断材料と判断基準を照合して判断を下す

      • 判断の結果が「答え」

      • 読み手が合意できる判断結果になること

  • 目次に展開する

    1. 問題提起

    2. テーマ設定

    3. 判断材料

    4. 判断基準

    5. 判断(考察)

    6. 結論


ステップ4:箇条書きを列挙して内容を具体化しよう

  • 仕上の段階で箇条書きの文章をつないで入れ替えれば、読み直しの時間を大幅にカットできる


ステップ5:校正をしながら文字量を調節する

  • 箇条書きを接続詞でつなげた後には、字数の制約に応じてカットや微調整を行う

  • 見出しを残すかどうかは「読み手にとってどちらがわかりやすいか」に尽きる

  • 文字量を大幅に増減すうらんいは「たとえば〜」という事例を増減する

  • あと20〜30字という文字量の微調整は、「同じ意味の単語に置き換える」か「語尾の言い回しで増減させる」という方法がある
    • 調査報告書→報告書

    • たいへん苦戦しています→苦戦状態です

    • 実施した方がいいでしょう→実施すべきです

    • 決定されるでしょう→決定予定です

    • 確認しておくことが大切です→確認が大切です


ステップ6:上司にチェックしてもらい書き直しを防ぐ

  • なるべく書き直しの労力を最小限にすることが大切。書き続けていくと書くことが楽しくなる


ビジネス文書の書き方



1日の仕事を日報にして書いてみよう

  • 一日の仕事を振り返って日報にまとめたり、日記を書いたりするのも、文章力の向上に効果的


1週間の仕事を週報にして書いてみよう

  • 週報を習慣にすることで、自分の仕事を記録に残して、自己評価することができる


ちょっと先までの予定を文章化する

  • 1ヶ月先、1年先などの目標を文章に書いて整理すると、ほんやりとしたイメージが具体的になってくる


連絡票を作成してみよう

  • 業務文書では5W2Hを書くのが基本中の基本。読み手に疑問を残さないように書こう


出張報告書を作成してみよう

  • 出張したら出張報告書を作成しておく。フォーマットにしたがって、事実と判断を区別しながらまとめる


業務報告書を作成してみよう

  • 勤続年数が長くなるにしたがって、業務報告書の提出内容の良否が評価に大きく関わってくる


企画書を作成してみよう

  • 新しい価値を生み出すために企画書の作成にも挑戦してみよう。まずはヒナ型を理解することが一番の近道


実は…

実は、僕は学生時代は作文が全く書けませんでした。
文章作成の作法を教えてくれる人がいなかったことが最大の原因だと思っています。
中学時代の僕にこの本を贈ることができたのならば、僕の人生は大きく変わっていたことでしょう。
元から理数系なので、システム化が必要なのです。


大学時代も文章が書けない状態でしたので、正直卒論が怖かったです。
しかし、不思議な力が働いて、なぜか卒論はあっさりと書けてしまい、今では何冊も本を執筆するようになりました。
文章を教えてくれる人はいませんでした。
これは自分史での最大の謎かつ最大の奇跡です。


返信

ななし 2010/11/17 21:05 なんて読みにくい文章…



ごめんなさい。テキスト変換プログラムのバグでした。今でもややおかしいところがありますが、前よりは読みやすくなったと思います。
それと、レバレッジメモは個人用メモの垂れ流しです、あしからず。