レバレッジメモ: 広報・雑誌づくりのらくらく文章術
日本エディタースクール出版部刊、西村良平著『広報・雑誌づくりのらくらく文章術』を読みました。
この本も、『文章術-「伝わる書き方」の練習』、 論理的な文章を書く基本とコツ に引き続き、よい文章を書く方法を学ぶために読みました。
僕の場合、広報誌や一般の雑誌の執筆はしませんが、情報を仕入れて書くという点では共通しています。
参考になる部分があるかもしれないという期待がありました。
そろそろレバレッジ・リーディングにも慣れてきました。
レバレッジメモ
はじめに
文章に効く格言
話すように書く: 話すように書くことは可能ですか
- なぜか原稿を書くとなると、肩に力を入れてしまう人が多い
- 「きれいな文章」「格調高い文章」が目標になると、人に伝えることは二の次、三の次になってしまう。
- 興味を持って話をきいてくれる人をみつけて、原稿の内容を簡単に話してみるといい
- 読者を頭の中に思い浮かべて、会話をするように書けば、伝わる文章になっていく
文章教室の宿題が楽しい: 読んで意見を言ってくれる人はいますか
原稿執筆の大前提
「だれに」伝えるのか: だれに読んでもらう原稿かをはっきりさせていますか
- 読者には「あなた」と呼び掛けてもよい
- 「文章を書き出せない」、「文章が途中ですすまなくなった」は、執筆の目的をはっきりさせないまま、いきあたりばったりで文章を書こうとしていることが多い
- 目的:「だれに」「何を」伝えるのか!
読者はどんな人なのか: 読者を思い浮かべて書いていますか
- 「読者が何を知っていて、何を知らないのか」「何を知ろうと思っているのか」「何がわかれば、うれしいと思うのか」を把握して書く
- それらをふまえて、何をどう伝えようかと考えていく
現行執筆の出発点
現行執筆の三用件: 原稿を書くときに編集者と確認することを知っていますか
テーマとは執筆内容のポイント: テーマとタイトルの違いはわかりますか
- テーマとは、どんな内容を書くかということ。内容のポイントを簡潔に表すもの
- 原稿執筆ではタイトルとテーマは分けて考える
限られた字数で書けること: 400字の原稿用紙に書けるのはどれくらいの内容ですか
- テーマを絞り込み、その分、深みのあるものを書くことで魅力は伝わる
締切をにらんだスケジュールづくり: 締め切りをにらんでスケジュールを立てていますか
掲載号のあらましを知る: 掲載号はどんな内容になるのかわかりますか
ニュース記事か企画記事か: 雑誌や広報誌の文章にはどんな種類があるかわかりますか
文章構成のスタイルと展開
起承転結にしばられていないか: 起承転結の落とし穴を知っていますか
- 雑誌や広報誌では起承転結の転から始めることもある。読者の常識に対して「転」。
- 文章の導入部分を用意するなら、短い文章で読者をひきつけるようにする
逆ピラミッドと砂時計: 文章構成にはどんなパターンがあるかわかりますか
文章の入り口と出口: 書き出しと終わりの書き方を知っていますか
ニュース記事の執筆
WHY(なぜ)とHOW(どのように)が記事の価値を高める: WHYとHOWを活かした記事を書いていますか
書き手はだれか: 記事に執筆者が登場する、しないの違いを知っていますか
読まれる文章の作成法
材料を集める、選ぶ、並べる: 文章を作成する手順を知っていますか
- 文章の盛り込む材料を「集める」「選ぶ」「並べる」
シーン(場面)を描写する: 臨場感のある文章を書いていますか
わかりやすい文章に必要なHOW(どのように)とWHY(なぜ): わかりやすい文章を書いていますか
- HOWを書くことでイメージを豊かにし、WHYを書くことで提示されたことの根拠がわかってもらえる
読まれる文章の展開法: 読まれる文章を書いていますか
- 同じ内容でも「どうした」「それからどうなったの」という展開のある形にしたものは、読ませていく内容になっていく
情報を集めて書く
書店や図書館、インターネットで資料を集める: 原稿を書くのに必要な資料をしっかり集めていますか
基本知識こそ活用できる: 新しい分野の原稿を書く方法を知っていますか
現場の取材は観察に力を入れる: 現場取材では発見に力を入れていますか
自分のネットワークを使って情報を得る: 人からの情報をしっかりと手に入れていますか
- 情報を入手するのに、最も適した方法は人に当たること
- 「そのテーマで基本的に知っておくべき事柄は何か」「そのテーマに対してどんな考えをもっているのか」「どんな本や資料を読めばいいのか」「くわしい話を聞くには誰がよいのか」「調査をどこからどうスタートすればよいのか」などのアドバイスをしてもらう。
- 自分のネットワークでは調査に協力してくれる人がみつからない場合、その分野のことを書いたり、発言している人を新聞や雑誌、書籍で見つけて、その人の肩書きなどから連絡先を調べていく
インタビューして記事を書く
だれにインタビューするのか: インタビューの相手を探す方法を知っていますか
インタビューのすすめ方: インタビューのすすめ方を考えていますか
エピソードを聞き出す: エピソードを手に入れて文章を書いていますか
記事に書く・書かない: 取材でオフレコと言われたときの対応はできますか
メモのとり方を工夫する: メモをとるときの工夫をしていますか
メモの整理をどうすすめる: 取材メモの整理法を知っていますか
テープを無理なく活用する: テープ録音は効率的に活用していますか
インタビュー記事のスタイル: インタビュー記事のスタイルを知っていますか
文章表記のルールづくり
自分の文章表記のルールづくり: 文章表記のルールをもっていますか
縦書きと横書きの選択: 縦書きと横書きの文章の違いを知っていますか
表記のスタイルの基本ルール: 表記のスタイルに気をつけていますか
- 印刷された紙面では、最低でも10行に1つくらいの改行がほしい
- 読点は文章のリズムも考えながら用いる
- 文の意味をはっきり伝えるための読点
文体を統一する: 文体を統一する基準をもっていますか
- 「です。」が連続してくると、押し付けがましさが出てくるので「です」「ます」「です」「ます」〜と続ける
- 「ありません」「でしょうか」以外の言葉もまぜる
- 過去の文章に現在形を入れる
- 「ました」「ます」「ました」「ます」「でした」で単調さをなくすことができる
表記を統一する: 表記を統一する基準をもっていますか
- 用語の統一
- 漢字とかなの統一
- 送り仮名の統一
- 数字表記の統一
- 単位表記の統一
漢字とかなの使い分け: 漢字とかなを使い分ける基準をもっていますか
語順と呼応の効果を知る: 意味がわかりやすいように言葉を並べていますか
- 日本語は文の終わりに「ない」が来ると意味がひっくりかえる。だから「けっして」など否定の言葉をいれると予想がつくようになる。
あいまいな表現を避ける: あいまいな表現にしないように気をつけていますか
- 「の」の連続は要注意
- 程度のわからない誇張は避ける
- あいまいな「約」「くらい」
- 「そうです」「ようです」など推測の言葉が連発すると、もっときちんと調べてから文章にしてほしいと読者は思ってしまう
- 内容が真実だと確認できれば断定にする
- 「ように」の否定をしない
記号の使い方: 記号の使い方の基準をもっていますか
正誤の作業のポイント: 誤字や脱字の点検方法を知っていますか
- 誤字脱字
- 固有名詞は同音の言葉に注意する
- 数字の間違いを点検する
- 割合や合計の数字は検算する
- 数字の疑問は原資料に当たる
- 単位の間違いを点検する
- 送り仮名の間違い
簡潔な表現にする: 回りくどい表現をすっきりさせていますか
- くどい言い回しをやめる(「巨大な(大型)クレーン」)
- 言葉のだぶりを避ける
- 文を長々と伸ばさない
- 不慣れな敬語はケガのもと
- 目録やカタログは簡潔な表現のお手本
原稿を完成させる
読者をひきつける見出しをつける: 見出しのタブーを知っていますか
- 「〜について」はタブー
- 読者は「〜がどうなんだ」「〜がどうしたのか」を知りたい
- 「について」を削除し、内容を伝える言葉を補う
タイプ別にリードを書く: リードはタイプ別に書いていますか
- リードはタイトルの見出しと本文を結び付ける文章で、前書きといえる
- 要約型:リードだけで内容のポイントがわかるように書く
- 説明型:記事掲載の目的やその背景の説明、執筆者の簡単な紹介など
- 客引き型:記事の内容を読みたくなるような仕掛け。リズム感。七五調やら謎掛けやら。
写真のキャプションを書く: 写真の説明文(キャプション)を書くポイントを知っていますか
- キャプションは本文よりも先に読まれる可能性があり、写真で記事を読むかどうか判断される
- なぜこの写真を掲載するのかというねらいをおさえておく
- 短くわかりやすいものがよい
原稿点検のポイント: 書き上げた原稿の点検方法を知っていますか
- 言葉を区切って、目をとめて間違いがないか確認する(原稿の/点検作業では/、/言葉を/区切って/確認を/していくと/よいでしょう/。)
- とくに固有名詞や数字には注意。疑問があったらマークし、最後まで文章を見終わってから根拠となる資料にあたる
- ワープロやパソコンの「文章チェック」は補佐役。文章入力中はoffにすれば書くことに集中できる。