文盲な不良品人間が『すぐに稼げる文章術』を読んでみた
年間3000冊も読書をしている著者による文章論です。 本書は、かなり刺激が強いです。 とにかく、いろいろかみついています。
文章が苦手な人はもう少し易しい本の方が向いているでしょう。 本書は、日頃から文章を書いている人にこそ価値ある本だと感じました。
《企業が困っているのは、文章力のない不良品学生をたくさん大学がよこしていしまっていることです。》*1は、かなりズキンとくるものがありました。 やばい…図星だ! 自分がいかに文盲なのか思い知らされました。
仰る通りです。 俺みたいな奴が卒論で賞もらったり、大学院をALL優で卒業してしまうなんて、おかしいですね、日本の大学教育は(笑) 実際大学4年生になっても卒論が怖くてガクブルしてました。 ディベートもできないなんて不良品もいいところです、俺。
俺はSMには全く興味はないですが、 学ぶことに対してはドM です。 成長欲、かなりあります。 コテンパンにされることで、問題点が浮き彫りになりました。 いちから文章について学ぶ必要性を感じます。 これまで読んだ文章術本のレバレッジメモをまとめて、文章改善テンプレートを作る予定です。
日垣先生の著作、もっと読みたいです。 もっとケツを叩いてください。
レバレッジメモ
「どう書くか」より「どう読まれるか」
まず完成品をイメージする
- 「〜の問題について、本当のところはどうなのか」がわかるブログは読んでて楽しい
- 文章を書くということは、犬小屋を自分で建てるようなもの
定義と根拠を示す
- 「私見によれば、お金持ちブームが起きつつある」とか「今年の末の流行語対象になるのではないか」などと書き始めたら非常に下品な文章になってしまう
- 文章の書き出しをどうするかに神経を使わないといけない
ありふれた言葉にご用心
- 「民営化」のように簡単な言葉を定義することは忘れてしまいがち
- 文章の結論は、少し飛躍させたほうが締まりがよくなる
- 読み手に考える快感をもたらす
- 読み手に考える快感をもたらす
- 読者が前向きに考える余地を、文章の中にきちんと残す
仮説を立てて問題を解く
- 日記は「自分とは何なのか。自分は何のために生まれてきて何をしたい人間なのか」という謎解き
- 絶縁状は「この人と別れて本当に自分は幸せになれるのか」という仮説を確認するようなもの
- 文章を書く上での大原則:問題や仮説を設定し、根拠を与えながら解いていく。
- 身の回りの出来事をちょっと振り返って考える習慣をつけておいたほうがいい
個人的テーマを広げながら書く
- 文章成立のポイント
- その体験がどれだけ普遍性をもつか検証する
- 読者が異論を挟もうが共感しようが、個人的な体験に対してどれだけ距離を取れるか
- 「それがどうしたの?」というような素朴な疑問に答えるようにしていく
- その体験がどれだけ普遍性をもつか検証する
- 読者に立ち止まってもらいたいときには、文章の中で疑問を投げかける
- 疑問を突き付けた後での「そもそも」は、読者に疑問をもたせたうえでこちらの土俵に引き寄せるのに有効
うならせる書評
- 書評が満たすポイント要素は以下のどちらか
- 本を書いに走りたくなる
- エッセイ自体がおもしろい
- 本を書いに走りたくなる
- 短い文章の前にわざと長くしてリズムをつける工夫
おもしろい文章の正体
- 3種類の読者を想定して全員に「なるほど」と言わせるおのを書くためには、観察力が必要
- 悪文を批評するのがいい訓練
- おもしろい文章の実態は、本来結びつかない2つのことを結び付けること
「読ませる」ための7つのポイント
- 自分の体験や見聞を挙げてみる
- 現在起きている例を3つ程度は挙げてみる
- 横軸としての比較!
- 縦軸としての歴史検証!
- 反論を想定する
- 論点を整理する
- できたら専門家の意見を取り入れてみる
これだけは気をつけたい基本の基
- 接続詞の多用に注意
- 逆説の接続詞を入れなければ逆さまの意味にとられかねない場合に限って、最低限の接続詞を使う
- 文章の構造上、誤解を解くために使う程度にする
- 逆説の接続詞を入れなければ逆さまの意味にとられかねない場合に限って、最低限の接続詞を使う
- 「です」「ます」調は大リーグ養成ギプス
- 語尾が単純化しないようになるため、レベルアップになる
- 語尾が単純化しないようになるため、レベルアップになる
- 句読点は呼吸のリズム
- 誤字が生まれる法則
- 書評で本のタイトルを間違えたり、固有名詞を間違えるのはかなり恥ずかしい
- そういうのはプロの編集者でもよくある
- 著者の名前やタイトルなど私は間違えるはずがないと信じ込むから
- 著者の名前を確かめたり、映画の評論をやるときにタイトル名は必ずチェックするなど校正の目に漏れがないようにする
- 書評で本のタイトルを間違えたり、固有名詞を間違えるのはかなり恥ずかしい
- 引用は一字一句正確に
- 原文通りに引用するには《》が便利
- 原文通りに引用するには《》が便利
- 用語・表記の統一
- 小説家は「言う」ではなく「いう」と書くことが多い。
- sayに置き換えられるものは「言う」
- start=始め
- 最初=初め
- 小説家は「言う」ではなく「いう」と書くことが多い。
- 漢字を使いすぎない
- 述語は文章の肝
- 述語は文章の肝
【初級編】こんな悪文を反面教師に
ダメな書評の典型例
- 問題提起をしながら《但し》以下でそれと違うことを言い続けると、文章全体のバランスがおかしい
接続詞「〜で」「〜が」の罠
- 「〜で」「〜が」という言い方は文章からはじいたほうがリズムがよくなる
- 「〜で」は絶対使わないようにする
- 文章は逆接か順接か感じながら書いていかないといけない
- 「〜が」はどちらもつなげることができるし、複文だから文が長くなる
- レビューでは、「これはやばいんじゃないか」というポイントをひとつにしぼって、あとは褒めちぎり、最後は皮肉でおわると文章が締まる
学者的悪文を避けるには
- 企業が困っているのは、文章力のない不良品学生をたくさん大学がよこしてしまっていること
「ご報告」「ご相談」は誤用だが
- 自分が行うことに「ご」をつけるのはおかしい
メールで最も注意すべきこと
- メールはシーソーゲームのようなもの
- 自分が書くメッセージはできるだけ明確に
- 曖昧なメールが届いた場合は、可能性と着地点をできるだけ考える
トラブルの温床としてのメール
- ありきたりの表現で単に謝る場合は、確実にトラブルが拡充していく
- 謝罪するときには、謝罪の言葉、その理由(反省)、償い(穴埋め)の3つができているかどうかを念頭に置いて対処していかなければならない
【中級編】実務文はこう書けば生まれ変わる
エッセイ・ブログ編
- 文章を書くときは、書き手のキャラを建てたり、的に当たる部分を明示する
- 筆者の「なぜ」を解明するのが基本
作文・エッセイと論文の違い
- 作文やエッセイには個性や才能が必要であり、論文には方がなければならない
- 何かを主張するに当たっては、7割がたの人を納得させる根拠を示す挙証責任がある
官庁発の文章編
- 文章がおもしろいということは、ひとことで言えば意外性がある
社内文書編
実務文の再生手術
- 実務文では結論を最初の3行程度で示す
- 文章を読むために読者が自分の時間をさいてくれるかどうかは、文章のタイトルなり最初の引き込み部分で判断される
- 文章のキャッチフレーズをきちんと決める
- ひとことでキャッチフレーズを言える準備をしておく
- 実務文においては「起承転結」など無視したほうがかえって斬新でおもしろい
- 売文の場合は専門家、身近な人、取材先の相手を想定する
- 書評では一般読者、著者、編集者を読み手として想定する
【上級編】ネットで生き残る智恵
啖呵の切り方にも美醜がある
喧嘩必敗の方程式
- 自分にしか書けないもので、なおかつその媒体が「喉から手が出るほどほし」と思えるような素材や内容なら、必ずよい条件になる
「ブログ炎上」考(その1)言葉の地雷
- 不用意に他人や属性を貶めない…が大原則
「ブログ炎上」考(その2)憂さ晴らし
- 活字の世界では炎上はありえなかった
- やはり「迂闊な発言」をしたから炎上する
「ブログ炎上」考(その3)ターゲット
自分のマーケットをもつ
- 朝日新聞は講読者が800万人いると威張っていながら、その800万人の講読者名簿すらもっていない。
- サイトに日垣本の注文が入ると、すぐに名前を検索してメルマガの提起講読者か否かを調べます。注文者が岡山の方でしたら、「岡山では昨日の台風はいかがでしたか?」など、何かしら個人に宛てた一文を添える。もし注文者がメルマガの読者でなければ、メッセージとともに「よろしければ本が届くまでお楽しみください」とメルマガを2号ほどサンプルとして送ります。こうした工夫をするだけで、一度でも私の本を注文した人がメルマガの講読者になる割合は58%にものぼるのです。
ネットへの回路を閉ざさない
- 一介のライターでは、長年研究をしてきた第一人者にかなうものではありません。そのことを逆手に取り、専門家の読者から知識をありがたくいただいて利用すれば良いのです。
- ネットを使っていますと、必ずストーカーやクレーマーの被害には遭います
有料メルマガが微増しているけれど
裁判費用捻出のための有料化?
ネット上のクレジット決済は安全!
- クレジットカードは、路面店やATMで勝手に使われる危険性のほうが、ネットで使われる危険性よりずっと高い
- リアル社会ではキャッシングされたり、ものを大量に買って換金されたり、とうことが確かにありえますが、ネット上ではそれはほとんど不可能です。
発想の訓練法
最低3種類の読者を想定する
- プロでしたら、文章を書くときには7種類程度の読者層を想定しなければなりません
- 身内の読み手など自分に興味を持っている人、上司や取引先、意地悪な人
- 専門家、高校生や子供などまったく予備知識がない人
- 身内の読み手など自分に興味を持っている人、上司や取引先、意地悪な人
メモはアウトプットの溶鉱炉
- プレゼンでは、メモを元に少し長めの草稿を書いておき、それをただ暗記するだけではなく箇条書きに分解し、緊張して頭が真っ白になったとしても2点だけは言えるように順しておく
- 文章を書くうえでも、メモの段階で見出しと項目を先に決めてしまう
本番前にメモを書く
- メモができていないと、いざ文章を書く段になってうなり続けることになってしまう
ネタを万人向けに変奏する
- 文章を書いていくと、自分がわからないことや次に調べたいことが確実に明確になる
- 考えて書いて、調べてまた書く
- 私的な体験を公的な文章へと変奏していけばネタは尽きない
- 「これはうまい」と思う文章に接したときには、どこがどううまいと感じたのか、ひとことで説明する習慣をつけていくとよい
- そもそも文章とは、人がやっていることについて「この部分は否定したい」「ここの部分は肯定したい」「ここは改善や提案をしたい」、この3つで成り立つもの
本質をひとことで捉える
アウトプットの回路を作る
- 自分が知らないことについて人に訊ねる前に文章にしてみると、自分は何を知らないのかが明確になる。
- 何かでお金を取ろうと思ったら、目安として最低1万時間はやり続けなければならない
- インパクトのある文章の正体とは、読んだ人の約3割から反発を招く文章
- おもしろい文章とは何か
- 一見くだらないことは真面目に書く
- 難しいことは易しく書く
- 易しいことを深く書く
- 深いことをおもしろく書く
- 一見くだらないことは真面目に書く
- おもしろい文章とは何か
敢えて全力投球はしない
- 全力投球をしたかどうか、一生懸命にやっているかどうかが評価されるわけではなく、結果がすべて
書き手のテーマ選びについて
- 本棚1本分の資料がたまれば、確実に単行本になる
- 全体の1/3くらいの大まかなストーリーや組み立てができた段階でとりあえず連載を始め、あとの2/3をどうおもしろくするかに精力を注ぐのが理想的
書き手として生き残るための戦略
パワーアップを!
- パワーアップを図るためには出る杭は打たれるという覚悟が必要
- 読者を飽きさせない工夫は、ライターにとって優先順位の第一位に属すること!
- 読者を飽きさせないためには、「明確な主張」と「説得力」があることが絶対条件
こうすれば稼げるQ&A
自分を売り込むコツ
- 完成原稿を書いていったほうがいい
どんな営業努力が仕事に結びつくか
- 編集部で最低2人くらいに自分を認知してもらうことが大事
- 「こいつにこのテーマで書かせたらおもしろそうだな」と編集者に思ってもらうこと
会社員を辞めたきっかけ
文筆業を選んだ理由
単純に「見たい、聞きたい、知りたい」だけでライターの仕事をするのは無謀か
一度は会社で働いたほうがいいのか
フリーで食っていくために一番大切なことは
- 自分と同じ考えではない人がヨソには大勢いることを、まずしっかり意識する
- 自分とはまったく異質な人たちをどう動かすか、どう説得するかという意味でマネジメント力は必要不可欠
- 経営感覚。失敗があっても黒字の間にうまく収め、儲からないことはやらない。
- 楽しく生きる
- 文章に中毒性をもたせること
既存のメディアの枠にとらわれないライターの仕事について
- 仕事の重点は毎年変わっていくもの
取材とは何か、調べるとはどういうことなのか
- 自分が謎だと思っていることやわからないことについて調べ、確実な証拠を得て、論理的に強い補強をしながら仮説を提示する
取材時のテクニックや心構え
取材相手の信頼を得るためには
- 相手に「こいつとならきっちり話してもいいな」と思ってもらうこと
連載の構成はどう作る
書き直しを要求された経験はあるか
ライターとしての職業倫理とは
- 間違いがあれば認める
- 「自分は間違いを犯しうる」ということを前提とし、そのうえで絶対に間違わないようにする
- 自分が知りたいと思うことを書く
- 自分にしか書けないことを誰にでもわかりやすく書く
プロとして生き残るための戦略は
- 最悪の事態を想定しながら、その最悪の事態をうまく回避する戦略を立てる
- 人付合いや仕事において「こいつを怒らせたら怖い」と思われている状態が、一番安定してきている
犠牲にしていると思うことは何か
- 一年に3000冊ほど本を買い、毎日たくさんの本を読んでいる
書くことへのモチベーション
- 仕事上での楽しみは、自分が想像もつかなかったような文章ができあがることだけ
早くしないと間に合わなくなってしまう(=死んでしまう)取材対象者として誰を挙げるか
生活費をどうやって担保していけば良いのか
仕事がないときは何をやっていたか
いかに都合良く交渉事を通すか
- 交渉とは譲歩の組み合わせによって問題解決を図ること
- 譲ってもかまわないことを9個くらい準備しておき、どうしておここは譲れないということを1個だけキープしておく。その最重要の1つの要求を通すために、ほかの9個の持ち駒を1つずつ譲っていくのが交渉の基本
- ゴールを見据えておく
健康の維持管理法
仕事上で論争や喧嘩になったときにどうするか
文章を手本とした人
わかりやすい文章と魅力的な文章の違い
得意なことと好きなこと、どちらを仕事の柱に?
取材力・企画力・執筆力を高めるために日々課していること
- 相手がだれでも、たまたま一緒に居合わせた人たちを笑わせる
- 自分が書きたいテーマで身近な人に笑ってもらう
- ギャラリーを作ると、気が進まなくても仕事をせざるをえなくなる
外国文献はどの程度読むか
美しい日本語とはどのようなものか
- 読み手の呼吸のリズムにあうかどうか
- 「〜です。〜です。」などと同じ文末を二回連続で続けないこと!
あとがき
*1:さっそく日垣先生おすすめの《》による引用、使わせていただきます。