よい文章を書くためのチェックリスト from 『文章術-「伝わる書き方」の練習』

角川書店刊、樺島忠夫著『文章術-「伝わる書き方」の練習』を読みました。 論理的な文章を書く基本とコツ に引き続き文章の書き方の本です。

文章の書き方をシステム化するため、文章に関する本を連続して読むことにしました。 一方の本に書いてあって、他方の本には書いてない、けれど大切なことがあると思うからです。

本書は、文章を書くときに気をつけるべきチェックリスト、トピックセンテンス(段落先頭の文)の重要性、パラグラフの構成方法などについて書いてあります。 論理的な文章を書く基本とコツ に書いてないことが多いです。 特に [*チェックリスト:title=] は印刷して、机の横に置いておこうと思います。

その後に、毎度のように[*レバレッジメモ:title=] を置いておきます。

おわび

リンクやレバレッジメモの表示がおかしいですが、org-mode→はてな記法変換プログラムのバグです。 御迷惑をおかけします。 修正次第更新しておきます。

チェックリスト

表現が不足していないか
だれが、何が、が抜けていないか?
だれに、何に、だれを、何を、を補ったらどうか?
いつ、いつから、いつまで、を述べる必要はないか?
どこで、どこから、どこへ、は不必要か?
どのようにして、何を使って、なぜ、なんのために、がなくても理解できる?
どんな事実があるか?その事実を書き加えたらどうか?
それに関してどんな事実があるのか?
どんな経験をしたことがあるか?
どんなことを知っているか?
現状はどうか?
過去はどうだったのか、現在はどうか、または未来はどうか?
そのようになったきっかけ(発端)は何か?
それに似ているものに、どんなものがあるか?
もっと詳しく分析したら?新しく書き加えたら?
それは何か、どんな様子をしているのか、匂いは、色は、形は、味は?
それはどういうことか、どう説明できるか?
それには、他とくらべてどんな特色があるか?
それはどこにあるのか、どのようにすれば手に入るのか?
目的は何か?
それはどんな働きをするのか?
どんな仕組み、組み立て、構造になっているのか?
それに似ている現象・事物はないか。連想されることはないか、何にたとえられるか?
それはどのようにするのか、どのようにすればいいのか?
なぜそうなるのか?
どんな条件、制約があるか?
それがなかったらどうか、どうなるか?
何が必要か、どのようにすればいいのか?
根拠は何か、何が証拠になるか?
解決策を述べる必要はないか?
具体例をあげて説明したらどうか?
それは、人間、社会、文化、他の生物とどのような関わりがあるのか?
それについて、どんな考え方・意見・感想がなりたつか?
これまでにどう考えられてきたか、新しい考え、発見は何か?
それに対して、どんな考え方・意見・感想が述べられているか?
自分は、それに対してどう考えるか、どんな意見・提案があるか?
それによってどんな気持ちになるのか、感想は何か?
反対意見、異なる感想にはどんなものが考えられるか?
逆のこと、反対のことを考えてみたらどうか?

レバレッジメモ

はじめに
自分の意見を述べる文章を書くことは、実は思考力の問題です。
自国語での思考力・表現能力を日本人が身に付けていないと、これからの国際社会の場で、他の国の人々と議論することができません。
事実を伝える
出来事を客観的に書き表すとは
<>絵を文章に書く<>解釈や想像は事実をゆがめる<>私たちは、多かれ少なかれ解釈や推測を加えて出来事を受け取っている<>情報不足のために、勝手に解釈や推測を加えて報告したら、大きな誤りをおかすことになる<>なぜ事実の報告が大切なのか<>必要なのは「事実」を客観的に表した情報<>文例<>事実の報告:富士山は、山梨県静岡県にまたがる、標高3776メートルの成層火山である。<>感想:富士山は、世界にまたとない美しい山である。<>印象:新幹線の車窓から富士山を眺めると、富士山は麓の工場の煙の中で、煙たそうな顔をしていた。<>解釈、想像、感想、印象または意見は人によって異なるので、事実を報告せずに、これらだけを伝えたのでは、対象の正しい姿を伝えることはできない
文の順序を考えて
<>文の順序を決める原則
  1. 全体がどうであるかを、まず述べる
  2. 全体を、いくつかのまとまった部分に分けて述べる
  3. 主要な部分から周辺へと述べる
<>推測・解釈を加えずに<>解釈・解釈の表現<>実際に文章を書く場合に推測したり解釈したりしたことを全く書いてはいけないというわけではない<>推測:「と思われる」「かもしれない」「らしい」「ようだ」「だろう」「見える」<>よりはっきりさせるには「私は、〜と推測・予測・解釈する」と書く
短い文章を書いてみよう
<>自分史を書くために<>新聞投稿欄に意見文を書くために
伝言する
<>伝言メモを書く<>推定と伝聞<>推定:「ようです」<>伝聞:「そうです」<>表現上の問題<>「〜でいい」は実際はこれ以上の費用を要したが、それをまけるという意味になる<>伝言メモにも推測や解釈を入れずに、伝言を頼んだ人の言葉を客観的に書くことが必要
わかる文章を書く
必要な要素を落とさず
<>この章の目的<>5W1Hを落とさずに<>表現の基本的要素<>だれが、何が<>だれに、何に<>だれを、何を<>いつ、いつから、いつまで<>どこで、どこから、どこへ<>どんな、どんなに<>どのようにして、何を使って<>なぜ、なんのために<>表現しようとすることを分析して<>文章について検討する
文章を作り替える
<>説得力を増すには<>くだいて書く<>文章の内容を分析して書くには元の不完全な文章を綿密に検討する<>表現が不足しているところはないか?<>分析が不十分な内容はないか?<>新しく補ったらいい内容はないか?<>くだいて書く=文章の内容を詳しく分析すること<>場面を想像して<>文章の組み立てを考える<>読む人によくわかるようにくだいて書くとともに、読む人が理解しやすいように、内容を区切って、区切りごとに内容をまとめながら書くこと<>この章のまとめ<>自分がわかっていることは他人もわかっているように思い込んで、つい簡単にまとめて書いたり、「何が」「何を」「なぜ」など、他人に伝えるために必要な要素を脱落させたりしてしまう。<>人に十分理解してもらえる文章、説得力がある文章を書くためには、「くだいて書く」必要がある<>「くだいて書く」ことができて初めて簡潔に文章を書くことができる<>情報不足≠簡潔な文章<>文章を区切って書く
文章作成の基本 - パラグラフを設けて書く
パラグラフとは何か
<>この章の目的<>パラグラフは要旨を持つ<>パラグラフは、まとまった1つの要旨を持つ文の集まり<>トピックセンテンスはパラグラフの内容を予想させる文<>先頭にトピックセンテンスを置いたいくつかのパラグラフによって文章を構成する<>パラグラフとトピックセンテンス<>トピックセンテンスはパラグラフ全体のトピックを表している<>トピックセンテンス=パラグラフの予告<>トピックセンテンスに注目すれば拾い読みでも内容の大筋を知ることができる<>→そうか、だからこそレバレッジ・リーディングが意味をなすのか<>例文<>要旨や趣旨を述べる<>話す相手がいないときには、なぜ腹が立つか、自分は何を求めているかを文章に書いてみるのがよい。<>どんな事物・場合があるかを予告する<>ホタルには3つの種類がある。<>七福神は、七人の神様の集まりである。<>問題を提起する<>盲腸はどんな働きをしているのだろうか。<>内容を予告する<>以下は、私の幼児体験である。<>これから、私の戦争体験を語ろう。<>内容に誘う<>顔がどんな働きをしているかを考えてみよう。<>パラグラフは分けて書く
パラグラフの構造
<>パラグラフ内部の組み立て<>すべてのパラグラフがトピックセンテンスを持つ必要はない<>トピックセンテンスの後の文は、トピックセンテンスが予告している内容を支える<>パラグラフの先頭にトピックセンテンスを置かない場合にも、パラグラフに含まれるすべての文は、一つの要旨としてまとめることができる内容でなければならない<>パラグラフの最後の文は、内容の要点や結論、パラグラフの内容から生じる問題の提示などを<>1つ1つのパラグラフはまとまりを持つが、他のパラグラフと協力して文章全体の意味をつくりあげなければならない<>パラグラフを作る練習<>トピックセンテンスを見分けてパラグラフを作る練習
文章を組み立てる
<>意見文を書く<>自分史の1こまを書く<>この章のまとめ<>トピックセンテンスに続く文の持つ働き<>トピックセンテンスで述べたことの詳しい解説<>こんなことがあるという事例<>その理由・原因<>それにより効果・結果<>他との比較<>似ている事物<>将来の予測<>意見・感想など<>パラグラフで述べる内容はトピックセンテンスが予告する内容から逸脱しないようにする<>長いパラグラフでは、パラグラフの結びとして、そのパラグラフの内容をまとめる働きを持つ文を置く
文章を組み立てる技術
文章を組み立てる手順
<>この章の目的<>文章を書くときに決めること<>書こうとすること、書かなければならないこと<>どんなパラグラフを、いくつ設けて述べるか<>パラグラフの順序<>それぞれの部分の内容をどのように表現するか<>小見出しの働き<>小見出しは文章を意味のまとまりに区分し区分されたまとまりの内容を予告する<>文章の組み立てを考える手順<>1、題目または趣旨を決める<>2、どんな部分を設けるか考える<>チェックリストを使う<>小見出しの候補をブレインストーミング<>3、小見出しを選ぶ<>4、発想材料を集める<>小見出しのもとでどんなことを書くかをブレインストーミングする<>5、アウトラインを作る<>トピックセンテンスを決める<>6、アウトラインに従ってくだきながら文章を書く<>小見出しを立てない場合は、小見出しを削ってトピックセンテンスをしっかりと設けて書く<>アウトラインを作って書く<>文章を構成する練習
発想の技術
<>文章を書いてみる<>アウトラインを作るには、書こうとうする題目、趣旨をくだして、どんな部分を設けて書くかを小見出しの形でかきとめる<>題目、趣旨について、自分にどんな知識、経験があるか、またそれについてどんなアイデアがあるかを、自分の頭の中から引き出す<>ブレインストーミングする<>気分を落ち着かせ、くつろいで、<>考えようとする問題の焦点をひとつにしぼり、<>思いついたことを、すぐにメモする<>そのときに、こんな考えではつまらない、役に立たない、などと評価しない<>考えたことをすぐに書き留めるのは、思考内容を視覚化する行為<>チェックリストを使うと能率よく行える<>書くことをみつける<>手がかりを見つけるには
文章を書いてみよう
<>身の回りのものをとらえて<>アウトラインを作る<>文章を書いてみる<>別の文章も書くことができる
チェックリストからアウトライン・リストへ
チェックリスト利用からアウトライン・リストの利用へ
<>この章の目的<>チェックリストはこう利用した<>反論を書く<>文章の型
アウトライン・リストの利用
<>アウトライン・リスト<>文章力養成講座<>アウトライン・リスト作成後の文章を書く注意点<>パラグラフははっきり分けて書く。<>できるだけ短い文で書く。<>くだいて文章を書く<>意見を確かにするには
アウトライン・リストの例
<>自分の売り込み<>プレゼンテーション<>アウトライン・リストの例

論説のアウトライン・リスト

経験した事実を述べる
題目に関してこんな事実がある、こんな経験をした、こんなことを新聞や放送で知ったということ
それに関する解説
感想や気持ちは不要
意見を述べる
意見は何か。この意見を+とする
<>例:喫煙権などはない(+)
あいまいな表現ではなく。意見ははっきりとした表現で表す
意見が正しいことの理由を述べる
意見が正しいこと、妥当なものであることの証拠を挙げる。できるだけ、事実に基づくものを挙げる
自分の意見と反対の意見に反論を加える
対立する意見、−にどんなものがあるかを考える
<>例:喫煙権はある(−)
この理由の根拠を考えておく
対立する意見、−に対する反論、−意見を否定することができる根拠を考える