格安業務用レーザープリンタIPSiO SP 4000を買ってLinuxで動かした

気楽に使えるプリンタが欲しいので探していたら、超お買い得なレーザープリンタを見付けてしまったので、速攻買いました。

格安レーザープリンタ発見

今のプリンタはインクジェットとレーザプリンタにわかれます。 昔からレーザプリンタは高速で綺麗だけどかなり高価で高嶺の花でした。 しかし、今は安いものでも1万円代から売られているのでびっくりしました。

今までインクジェットプリンタにはとことん嫌われてきたし、モノクロで十分なのでモノクロレーザープリンタを探しました。 すると、びっくりしたことに、 Amazonにて 9000円以下で売られているものを見付けてしまいました! リコーのIPSiO SP4000です。 定価が8万円以上なので、9割引です!! なんでも生産中止で後継機種が出ているかららしいです。 その後継機種は性能差がほとんどないのに5万円以上なので、これは買いです。

レビューを読んでみると、評価もかなりよいです。 なんと、これは業務用プリンタなのです! 業務用なので、耐久性、安定性、長寿命、電源投入から印刷までが早いなど、メリットがもりだくさんです。 寿命はすこぶる長く、60万ページまで印刷できるとのことです。 以前のプリンタはことごとく数百枚程度印刷して壊れたのだから、個人的使用においては半永久的といってもいいほどです。 さらに、Linuxで動かしている人もいるので当然買いました。 まさか憧れのレーザープリンタ、しかも業務用がこんな安価で手に入るとは夢にも思いませんでした。

ランニングコスト

しかも嬉しいことに、ランニングコストはものすごい安いことになります。

最初から装填されているトナー(インクに相当)では3000枚印刷できます。 ふつうのインクジェットのインクは数百枚程度なので規格外です。 3000枚印刷したとしたら、1枚当たりわずか3円です。 3枚印刷して、うまい棒1本分です。

リサイクルトナーも Amazonにて 7600円で売っています。 これの印刷枚数はなんと12000枚です!!! もうバケモノですね。 本体とともに買った場合は計15000枚印刷できるので、1枚あたり1円ちょっとまで落ちます。*1

インクジェットは本体そのものは安価ですが、インク代がかなりかかります。 本体を安く売ってインク代で稼ぐというビジネスモデルなので、ランニングコストがかさみます。 また、立ち上がりの際にヘッドクリーニングも行うのでたまにしか使わない場合は、インクが無駄に消費されます。 ランニングコストはモノクロでも6〜7円あたりといわれています。 しかもすぐにインクがなくなってしまうため、いざ大量印刷を行うときにはいつインク切れを起こすかびくびくしないといけないです。 詰め替えインクはあるものの、訴訟問題が起きるなど、いろいろやっかいです。

なお、紙代は計算に入れていません。 A4のコピー用紙500枚なら安くて300円程度で手に入ります。

本体価格、ランニングコスト、寿命、耐久性、どれを取ってもIPSiO SP 4000の圧勝ですね!

印刷無双

こうなると、プリンタにはたくさん働いてもらわないと勿体ないです。 安価で大量に印刷できるため、以前は印刷など思い付かないシーンであっても、印刷という選択肢が加わります。 業務用でそうそう壊れないので安心です。

電源を入れて20秒ほどで印刷できてしまうので印刷待ちでイライラする必要もありません。→ 証拠動画@youtube ほんのちょっとしたものでも、とにかく思い付いたら印刷、印刷というスタイルでいけます。 以前所持していたインクジェットは立ち上がり時間がかかりすぎるので、待たされるならもういいやとなっていました。

キンドル?こういう電子書籍端末には見向きもしません。 まず、本体が数万円とバカ高いです。 紛失したときの損失は大きいです。 おまけに、寿命もどれくらいかわかりません。 数年で壊れたとなれば目も当てられません。 印刷ならばA4 1万枚分以上の値段です。

また、こういう端末では、アナログの読書スタイルが使えません:線を引いたり、付箋をつけたり、ページを折ったり、余白に書き込んだりetc。

端末は精密機械なので、持ち運ぶ際に壊れることも考えられます。 紙は折畳めるし、少量ならば軽いです。 もちろん大量の紙はかさばってしまいますが、必要最低限の印刷をしてしまえばいいだけです。 また、A4用紙1枚に2〜8ページを同時に印刷すれば枚数は少なくなります。

おまけにバッテリーがなくなってしまっては、読むことすらできません。

同じ理由で、パソコンもスタティックな文書の出力装置としては魅力的ではなくなります。 液晶は長時間眺めると目が疲れます。

あとで読むサイトはどんどん印刷してしまいます。 それにより、PCにいなくても未読を消化できます。 もうPCに束縛されなくてもよいのです。 お風呂や信号待ちなど、隙間時間が活用できます。 レーザープリンタなので、にじみません。

10年間お世話になったPalmも、この際退役してもらいます。 出先で文書を読むのに重宝していましたが、画面の狭さはいかんともできません。 Palmで読んでいる文書も、もちろん印刷です。

今日の予定表も毎朝印刷してしまいます。

まったく、とんでもない代物を手に入れてしまったものです。

Debian GNU/Linuxで動かす

http://hitaki.net/diary/20090730.html

もちろん、Linux使いとしては、Linuxで動作しているという情報が必要です。 上記サイトによるとUbuntuでも動くので、Debianでも動くでしょう。 Debianでは、foomatic-dbとfoomatic-filters-ppdsパッケージをインストールする必要があります。 パッケージは、ファイル名にRPDLが含まれるファイルが属するパッケージ名を調べたからわかりました。


$ apt-file search RPDL
foomatic-db: /usr/share/foomatic/db/source/printer/Ricoh-RPDL_III_Laser_Printer.xml
foomatic-db: /usr/share/foomatic/db/source/printer/Ricoh-RPDL_II_Laser_Printer.xml
foomatic-db: /usr/share/foomatic/db/source/printer/Ricoh-RPDL_IV_Laser_Printer.xml
foomatic-db: /usr/share/foomatic/db/source/printer/Ricoh-RPDL_I_Laser_Printer.xml
foomatic-filters-ppds: /usr/share/ppd/foomatic-rip/openprinting-gs-builtin/Ricoh/Ricoh-RPDL_III_Laser_Printer-rpdl.ppd.gz
foomatic-filters-ppds: /usr/share/ppd/openprinting.org-gs/Ricoh/Ricoh-RPDL_III_Laser_Printer-rpdl.ppd.gz
foomatic-filters-ppds: /usr/share/ppd/openprinting.org-gs/Ricoh/Ricoh-RPDL_II_Laser_Printer-rpdl.ppd.gz
foomatic-filters-ppds: /usr/share/ppd/openprinting.org-gs/Ricoh/Ricoh-RPDL_IV_Laser_Printer-rpdl.ppd.gz
foomatic-filters-ppds: /usr/share/ppd/openprinting.org-gs/Ricoh/Ricoh-RPDL_I_Laser_Printer-rpdl.ppd.gz
$ sudo apt-get install foomatic-db foomatic-filters-ppds

インストールしたら、プリンタをUSB接続し、電源を入れます。 電源を入れて初めてCUPSがプリンタを認識します。

その後、 CUPSの設定画面 をブラウザで開き、「プリンタの追加」をクリックします。 名前、場所、説明はてきとーに入力します。 その後、USB接続されたIPSiOを認識してくれます。


バイス: [RICOH IPSiO SP 4000 USB #1 (RICOH IPSiO SP 4000)]

その後、メーカにRicoh、モデルに「Ricoh RPDL III Laser Printer Foomatic/rpdl (recommended) (en)」を指定します。 これで設定はおしまいです。 設定がうまくいったら「テストページの印刷」をやってみましょう。

日本語文書の印刷

日本語の印刷にはu2psを使います。


$ sudo apt-get install gnome-u2ps

日本語テキストのファイル名、あるいは標準入力で指定すれば、印刷してくれます。


$ u2ps japanese.txt
$ echo 日本語 | u2ps

レーザープリンタ万歳!

長年プリンタに嫌われ続けてきた僕だが、ついに最高のプリンタを格安で手に入れることができ、とても嬉しいです。 とにかくでかくて重いです。 女性一人では持てない人もいることでしょう。 僕は、経験上でかい物ほど頑丈だと思っているので、でかいことはいいことです。*2 机の下にちょうどぴったりおさまっています。

Amazonのレビューでマニュアルが親切じゃないと書いてありましたが、全然そんなことはありません。 ふつうにわかりやすいです。

早い、安い、うまい(綺麗)、レーザープリンタ万歳!

おまけ:カラーレーザーが15000円!

http://www.amazon.co.jp/dp/B001M5PF2U

これもまたすごい!業務用らしい。 カラー印刷したけばこれもいいかもしれません。 しかし、替えトナーはたった2000枚しか印刷できないので、ランニングコストが悪いと思います。

<2010-10-28 木> おまけその2:排紙口の閉め方

この機種は、排紙口(紙が排出される場所)のフタが閉まりにくいので注意です。 開けるのは簡単ですが、閉めるとき、ふつうに閉めると、しっかり閉まりません。 しっかり閉まらないと、印刷中に開いてしまい、印刷停止し、紙詰まりを引き起こしてしまいます。 排紙口の正しい締め方は、 取っ手を持ち上げて 閉めることです。 こうすればちゃんと固定されて動きません。

正しい閉め方がマニュアルに書いてないため、初期不良かと思い修理屋を呼んでしまいました。 結局故障でもなんでもありませんでした。 業務用のせいか、あまりにもしっかりしすぎているために起こったことでした。

同じ悩みを持っている人の助けになればと思います。

<2010-10-28 木> おまけその3:印刷濃度は-3にするのがおすすめ

印刷濃度を最も薄い-3にすることで、トナーの消耗を抑えることができます。 薄くしても、全然薄さを感じません。 デフォルトは0です。

*1:数万枚でドラムが摩耗する等の噂がありますが、個人使用では気になりません。

*2:思えば、ノートパソコンにもケータイにも嫌われていました。最初のプリンタも小型ですぐ壊れました。