ネット遍歴 - スタイルシート・JavaScriptに疎い俺

俺のインターネットデビューは事実上GNU/Linuxでやったようなものだ。パソコン通信MS-DOSWindoze 95でやっていたけれど。
ネットサーフィンするには「ブラウザ」というソフトウェアが必要だということを聞いた。インターネットを知らなかった俺にとって「ブラウザ」は「ファイルブラウザ(ページャ)」のことだと思い込んでいた。MS-DOSだったのでMIELやらlessやら。そのブラウザはMosaicというそうな。Unix端末でMosaicと打ってURLを入れたら、画像が表示されるわ大小いろんな文字が表示されるわで感動したものだった。こんなに派手なものだったのか、と。その感動は今でも克明に覚えている。
家ではほんの少しの間windozeでインターネットしていたかもしれないが、記憶があやふやだ。当時Windoze 95がフリーズ連発でブチキレていたのですぐさまGNU/Linuxへ移行した。あこがれのUnixシェルやEmacsTeXがバリバリ使えて驚いた。インターネットはPPP接続…電話線だ。テレホタイムでないと電話代がやばかった。だからゆっくりネットサーフィンなんてできなかったなあ…メールチェックだけだった。
家で常時接続になったばかりの頃GNU/Linuxで使っていたブラウザはNetscape4だった。けれど重くてたまらなかった。軽いブラウザを求めていてさまよっていたら、lynxEmacs/W3に出会った。けれどlynxは好みじゃないし、W3はやばいほど遅い(テーブルのレンダリングに1分とかありえねえ…)のでほかにないかなと思っていたら、ある人からw3mの存在を知らされた。98年か99年ごろか。
思えばw3mとの出会いは衝撃的だった。w3mはもともとはページャでURLを開くことができるものである。昔脳内に描いていた「ブラウザ」像そのままだったのだ!日本人が作者だから日本語も問題なく表示できた!しかもtableやframeもレンダリングしてくれるし、起動もレンダリングも速くてすぐに虜になった。GENE95 Dictionaryとlookコマンドの組み合わせで高速に英単語の意味を調べることができたから、w3mで手軽にできたらと思い拡張したよな。当時はw3mのバージョンがなくて日付だった。
そして、坂本さんの活躍でw3mでインライン画像が表示できたり、タブがついた。w3mテキストブラウザでありながら「今な」ブラウザへと進化してきた。ほかにもmust-haveな機能をどんどん実装してくれた。
21世紀になってNetscape4が廃れ、Mozillaというブラウザが出現した。しかし、初期のMozillaはあまりにも重いので貧弱なマシンでは使いものにならなかった。しばらくしてMozillaのブラウザ部分を切り出して軽量化したPhoenix(今のFirefox)が現れた。それでも重かった。CPUが貧弱、しかもメモリも貧弱でキャッシュ効いてないから起動に30秒〜1分くらいかかった記憶がある。
Phoenixが出るまで長いことGNU/Linuxで使えるまともなブラウザがなかったのだ。w3mだとJavaScriptなサイトが閲覧できなくて長いこと肩身の狭い思いをしてきた。それでもニュースサイトや日記(今ならブログ)を見る用途ではw3mで十分だ。そういうこともあって、機動性の高いw3mだっぶだぶにされてきた。
2003年、さすがに初代Pentiumじゃ性能的にも限界を感じてきたのでPentium4マシンに乗り換えた。メモリは(当時は)たっぷり1GB。Firefoxレンダリングはかなり速くなった。それでも起動は遅いのであまり使っていない。遅いといってもキャッシュが効いていれば1〜2秒。効いてなければ10秒ほど。w3mがコンマ数秒で起動することを考えたらガマンならんほど遅い。昔のマシンでも1秒かからなかったくらいだからw3mの起動の速さは驚くべきことだ。
2007年、Ajax隆盛でさすがにFirefoxを避けるわけにいかなくなったので常駐させて起動時間が遅いのをカバーしている。それでも俺の第一ブラウザはw3mだ。10年近くも使って完全に手になじんでいるので、おそらくこれからも変わらないだろう。将来のメモリ32GB塔載マシンであっても使うだろう。だって、いつもFirefox使っていたら、小さい字とかまぶしい色で目が疲れてやってられない。しかもたくさんのサイトを同時に開くのでタブが見辛くなってしまう。そんなんだったらGNU Screen上でw3mを30個でも50個でも立ち上げるよ。w3mは俺のインターネットの歴史なのだ。

今はJavaScriptスタイルシートにも対応したテキストブラウザlinks2・elinksが現れてきているが、今度は日本語が表示できない…やっぱり開発者にアジア人がいないとブラウザはだめだね…orz日本語が表示できるようになっても、migemoがなければ俺的には意味がない。

メールはGNU/Linux導入時からずーっとMewだ。Mewの導入方法を記した質のいい文書があったから。

まぁそんな遍歴でw3mで対応していないスタイルシートJavaScriptには疎いってわけだ。しかも、「使いやすい」、「見やすい」の基準が一般人と大きくずれてるから始末が悪い。俺にはウェブデザインはとうてい無理だな…